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開催中 - 浜松市立賀茂真淵記念館

令和2年度 平常展 賀茂真淵と近世国学者の国語研究

真淵をはじめとする近世国学者の国語関係の「研究遺産」を、掛軸や古書籍(写本・版本)で紹介し50音の誕生と変遷などを展示します。
現在の文法や仮名遣いの礎をつくり上げた真淵や近世国学者の国語関係の「研究遺産」等を、掛軸や古書籍(写本・版本)で紹介しています。
日本語の文法や仮名遣いなどは、明治時代以降の西洋言語学の研究によって大成されたものです。しかし、それは近世(江戸時代)国学者の国語研究の「遺産」なくしては大成されなかったものです。近世国語学は、契沖(けいちゅう)や真淵によって新しく芽を吹き、本居宣(もとおりのり)(なが)富士谷(ふじたに)(なり)(あきら)らにより発展し、本居(もとおり)春庭(はるにわ)東条(とうじょう)義門(ぎもん)たちによって樹立されました。
1 「五十音図」の作成と「動詞の活用」への着目
契沖は、インドの音声に関する学問「(しっ)(たん)」を参考にして、五十音図をつくり真淵は、「五十聯音(いつらのこゑ)」と名付けた五十音図を『語意考』で示しました。これは「いろは順」が一般的であった時代にあっては画期的なものでした。さらに、真淵はこの五十音図を基に動詞の活用を示し、また、『語意考』において音節を伸縮させる延言(のべこと)約言(つづめこと)等についても詳しく説いています。
2 仮名遣いの文献学的研究
仮名遣いとは、同じ音に2種以上の表記がある場合、そのいずれかによるべきかの決まりです。契沖は、古代には仮名表記の混乱はなかったことを明らかにし、『和字正濫鈔(わじしょうらんしょう)』を著しました。その70年後に真淵の門弟である楫取魚彦(かじとりなひこ)が『和字正濫鈔』を補正する形で『古言(こげん)(てい)』を著し、正しい仮名表記がさらに深められ正当な評価が定まりました。
3 字音、上代特殊仮名遣い、係り結び等の発見・整理
漢字の音をどのような仮名遣いで表記するのかという「字音」の仮名表記をまとめて整理したのが、宣長の『漢字三音考』や『字音仮名用(じおんかなづ)(かい)』です。また、宣長は『古事記』における真仮名(まがな)表記として、同音の仮名でも、特定の意味を表す語に定められた仮名を使う「区別」のあることを見い出しました。さらに宣長は、「係り結び」の法則も見い出しました。
国語文法や仮名遣いはこのような「研究遺産」を基に大成されていき、現代に生きています。