お知らせ

新種の紙魚について(注意喚起)

静岡県博物館協会会員の皆様、

去る6月18日(土)、19日(日)に熊本で開催された保存修復学会で、
東京文化財研究所の島田潤氏をはじめとする方々から、

文化財にとって、
非常に厄介な害虫の情報が提供されたため、

共有します。

シミ(紙魚)は、
紙の表面を食べてしまう文化財害虫で、
我が国でも古くから知られています。

結構長寿で、
種によっては8年くらい生きているそうですし、
1年ぐらいなら何も食べなくとも死なない、
というタフな虫でもあります。

長寿の虫なので、
そんなに増殖する虫ではありませんでした。
寿命が長いのに数が増えたら、
食糧難に陥ってしまいます。

ところが海外から、
急激に増える種類が侵入、
既に国内で拡大しているらしいことが、
報告されました。

国内ではメスしか見つかっていないため、
単性生殖しているかもしれず、
ということは、
1匹いればどんどん増える可能性があります。

こんな虫が収蔵庫に入り込んだら、
カタストロフが生じかねません。

「透明な外骨格、銀色の鱗、小型の体形などの形態形質」
だそうです。
環境モニタリングなどで、
怪しい虫が発見されたら、
お知らせ下さい。

学会会場にはカラーの写真が掲示されており、

個人的には、
従来の虫より白っぽくて、
やや細身かつ寸胴な印象でした。


どうぞ、
くれぐれもご注意下さい。

静岡県博物館協会
事務局(静岡県立美術館内)
新田